初めての模擬授業に取り組むことの大切さ

投稿者: | 2019年11月28日

本日は、まず科学技術英語と言う授業を実施しました。受講生と相談して、日時を変更して実施しています。要するに、専門の観点から英語力を身に付けるために、科学技術に関する英語について実践的に学んでいく科目です。具体的な方法は、各研究室の先生に任されています。

今回も、前回から引き続いている英文を、輪読しました。遺伝子診断に関するごく簡単な英文です。簡単とは言え、普段英語に日常的に接していない学生であれば、大学入試の時点から英語力は多少なりとも落ちているので、そこそこ苦労するようです。私も別に英語に堪能なわけでは無いですが、それでも科学技術に英文の基本的な読み方について、できる範囲で伝えているつもりです。

さて、夜の教職課程の授業では、今日から2年生を対象とした理科指導法の授業でも、模擬授業を始めました。ただし、2年生では本格的な模擬授業にはまだ入らず、授業の導入部分を数分間ずつ実施してもらっています。こうすることで、細かい指導方よりもまだ先の段階の、教師としての準備の仕方や姿勢、立ち振る舞いなどについて、考えてもらうきっかけにしたいと思ってます。

この簡易版の模擬授業では、おもに中学校理科の各単元について前から順番に、各章の冒頭部分を取り扱ってもらいます。つまり、今日からその章に入るというシチュエーションで、模擬授業を行ってもらうのです。こうすることによって、その単元全体での見通しを持たせるために何が必要かを考えたり、何よりもまず、その単元の学習をするための興味・関心を高めるような様々な工夫を考えてもらいます。

このように授業の出だしに取り組んでもらうだけでも、実際には様々なようすが見られます。身近なものを用意して興味を引こうという学生もいれば、いきなり教科書を朗読させる学生もいます。もちろん、授業づくりには正解は無いのですが、結果として、生徒にいかに興味・関心を持ってもらうかということに真剣に取り組んだかどうかには、少しずつアプローチの差が現れてきます。

そうした事は、私の方から露骨に注意や指摘せずとも、お互いの模擬授業を見たりコメントシートに記入し合うことで、自然とはっきりとしてきます。何よりも、本人が自然に気づくことになりますし、そうでなければいけないでしょう。そのことをきっかけにして、もっとああしておけばよかったとか、こんな準備をしておけばよかったなあ、と感じてもらえれば、まずは十分だとおもいます。あるいは、人前で授業を行うと言うことの難しさに気づいたり、ビデオで後から確認することで自分の話し方の癖に気付いたりすることも、大切な経験となります。

もっともっとたくさん模擬授業の時間を取れれば良いのですが、取り扱う内容の関係から、それだけと言うわけにもいきません。なんとか、短い時間で効果をあげられるよう、頑張ってみているところです。それでも、どうしても足りないので、そのうち有志の学生が集まって検討会を実施してみようか、と考えているところです。幸い、科学教育サークルも立ち上がっていますので、その活動に位置付けてもよいかもしれません。