静岡大学で開催された、日本理科教育学会第69回全国大会で、研究発表(口頭発表)をしてきました。
発表題目は「 ゲノム編集の医療応用についてのコンセンサス会議を中心とした理科教材の開発」で、研究室卒業生の武藤雄也先生との連名です。
自作の冊子教材の内容と、その試行結果についての報告です。
このような教材開発を、かれこれ10年くらい続けていますが、以前はこういった発表の質疑応答で、これは理科教育よりも社会科教育や総合でやることではないか、とコメントされたものです。
あるいは、いったい理科のどの単元でやるんですか、と質問されたり。
もちろん、今でもこういった感想や意見を持たれる方もいるのでしょうが、少なくとも以前に感じた「場違い感」のようなものは、あまり気にならなくなりました。
科学に関する基礎的な知識や思考力は、今でも変わらず必要です。
今の時代、人々の「科学的リテラシー」が全然足りない社会は、たぶん存続できないでしょう。
実際、まだまだ不十分とはいえ、現代人の多くはそうした知識や思考力を、ある程度は持ち合わせています(だからSFなんかがジャンルとして成立できるのです)。
しかし、その「科学的リテラシー」に含まれるもの自体が、時代とともに変わり得るし、実際に変わってきているのだと感じます。
これから必要になる「科学的リテラシー」が何なのかを考えながら、実際にその育成につながるような教材開発を、細々とでも続けていきたいと思っています。