『先生はえらい』

投稿者: | 2009年1月7日

 ちくまプリマー新書の一冊(002)。フランス現代思想を専門としつつ、『下流指向』など教育についても積極的に発言している著者による教師-生徒論。ラカンの思想などを下敷きに、持論をていねいに展開しています。要するに、えらい先生(恩師・運命の先生)に出会うためには、誤解でも何でも「先生はえらい」とまず信じるしかない、ということでしょう。逆説的ではありますが、確かにそれはひとつの真理だと思います。言い換えれば、昨今よく見られるような、税金・授業料分の対価としての知識を提供する教師と、ユーザー・消費者としての生徒、という発想では、表層的な学びしか得られないということです。主張が明確で字数も少ないので、サクッと読めてしまう本。生徒や学生に一読して欲しい本です。

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